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【2017/12/13 04:40 】 |
スペースファンタジー


ヒトも機械も、同じ0と1の羅列なのに。

どうして機械に心が宿らないと思うの?











「あれは、何だったのでしょうか」

「あの言葉は、何だったのでしょうか」

 私の発言に、Ms.カワカミが顔を上げました。
「あれ、って何かしら?」
 私には、Ms.カワカミの質問に答える義務があります。
「はい。
 マスターを処分したときのことです」

 マスターを殺したのは私ですが、マスター変更はされていないので、まだマスターはマスターのままです。

「マスターは私に撃たれた際、表情筋を動かしました」

 Ms.カワカミは、呆れたのでしょうか。再び視線を下げました。
「それは……娘のようなあなたに撃たれたら、それは驚くんじゃない?」
「いいえ、驚きの表情ではありませんでした。
 照合の結果、悲しみの表情と一致しました」

「…悲しみ」

「はい。
 表情を変化させ、生命活動を停止する直前に、マスターは私に何か言いました。
 音声では確認することができなかったので、唇の動きを照合します」

 私はメモリから、その瞬間を呼び出します。

「……かわいそうに」

 照合の結果、マスターの唇は最期にそう形を作ったことがわかりました。

「誰がかわいそうなのでしょうか。
 何がかわいそうなのでしょうか」
「……危険ね」
 Ms.カワカミは、私の疑問には答えてくれませんでした。
「その記録は削除しなさい」

「? なぜでしょうか、Ms.カワカミ」
「御伽噺じゃあるまいし、何か起こるなんてあるわけないけど…危険因子は除去すべきだわ」
「よくわかりません」
「わからなくていいの。
 その記録は削除しなさい」
「…了解しました」

 Ms.カワカミの命令は、つまり軍の命令です。
 私は軍の命令に従うようにできています。
「削除します」
 それを悲しいと思ったことはありません。

 そもそも、悲しいとは何でしょうか。


「削除が終了しました」
「そう。大丈夫?」
 Ms.カワカミは私を見つめています。じっと、鋭く。
「はい」
 私は頷いて、その質問に答えました。
「プログラムに異常はありません」





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【2013/02/02 10:19 】 | 散文(長編) | 有り難いご意見(0)
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